岡山市灘崎(なださき)町西七区の倉敷川沿いに造られた排水のための樋門です。鉄筋コンクリートで造られ、樋柱の一番上が半円状に丸くなったドイツ表現主義的なデザインが採用されています。このような昭和10年代以後に造られた樋門が近年次々に改修、撤去され、姿を消しています。
この形式の樋門は、第三・五区第三号、第六区第四号樋門とともに、当初の姿を残しているものとして、数少ないものとなってしまいました。明治時代を中心に造られた煉瓦と石による樋門とは、技術的・デザイン的に異なったものですから、貴重な土木遺産として後世に伝えていく必要があります。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会