鉄と木地物と米の集散でにぎわい、倉敷と呼ばれていた林野(はやしの)の町に、江戸時代から架けられていたのが泰平橋で、現在の橋は昭和5年竣工のものです。国道374号も、つい最近までこの橋を渡っていました。
地元産の凝灰岩(ぎょうかいがん)や笠岡産の花崗岩を切石にして積み上げた橋台・橋脚は、大正9(1920)年に架けられた旧橋のそれを再利用しています。現在の泰平橋は、第2次世界大戦以前に架けられた鉄桁(げた)の橋を代表する一つとなっており、特に、磨き上げた大きな花崗岩を組み上げた親柱(おやばしら)は、昭和5年の架設当初の偉容を留めています。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会