天瀬排水樋門と二日市排水樋門は、岡山市中心部の下水を旭川に排水するための樋門です。近世以来の伝統的な石桁(いしけた)樋門とは異なり、きれいに整形された切石積みの洋式樋門です。樋門の両側には石階段が設けられています。なかでも二日市排水樋門は、後年の護岸改修時の階段と一体化しているのが大きな特徴です。
当時の下水道は、自然流下によって集められた下水をそのまま排水するだけのものでした。そのため、後に汚水処理を施した近代下水道が整備されます。旭西下水終末処理場が整備されたのが昭和38年で、この時天瀬排水樋門は停止されます。また二日市排水樋門は昭和51年に停止され、現在は両樋門とも使用されていませんが、岡山の下水施設の遺構として貴重です。
出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会