~文化・芸術・前川の赤青黄~
<建築家>前川國男
天神山は、古来より神が鎮座する神聖な山と崇められた場所で、戦災で焼失するまで岡山県庁がありました。天神山文化プラザ(通称:天プラ)は、ル・コルビュジエに師事し日本近代建築の旗手である前川國男氏の設計により、図書館、展示室、ホール、日米文化センターの4つの機能を持つ「岡山県総合文化センター」として建築されました。鮮やかな黄色に彩られた1階のピロティーを抜けた先には、屋上まで通じる吹抜けに面し、高さ18mにも及ぶレリーフが彫られています。このレリーフは、前川氏が彫刻家・山縣壽夫に依頼し作成したもので、天空へ飛翔する鳥を表現し「鳥柱」と題されました。吹抜けの2階ロビーの壁面には、イタリアの画家ルーチョ・フォンタナの「空間概念」を彷彿とさせる鋭い切れ込みの空調吹出し口がデザインされ、その天井には前川氏独特の「成層圏ブルー」と呼ばれる深い青色の中に散りばめられた照明が星空のように輝いて見えます。また、普段は立ち入れない屋上へは鮮明な赤い扉で通じており、前川建築に見られる鮮やかな色使いと芸術的な要素が多く見られる建物です。
天プラでは、様々な企画展示や演劇、演奏会などのイベントが催されており、周辺には岡山県立美術館や岡山市立オリエント美術館などの岡山を代表する近現代建築も多く、近現代建築と文化・芸術を一度に楽しむことができます。