~作品と建物とが半永久的に一体化した美術館~
<建築家>磯崎 新
磯崎新氏により設計された当美術館は、通称Nagi MOCA(ナギ・モカ)と呼ばれ、将来、奈義町の文化的中心軸となるように計画されているシンボルロードに沿って、現代美術館、図書館、レストラン棟が建築群として配置されています。
当美術館は、国際的に活躍する荒川修作+マドリン・ギンズ、岡崎和郎、宮脇愛子の3組のアーティストに、巨大作品をあらかじめ制作依頼し、その作品と全体の空間をアーティストと建築家が話合い建築化したもので、作品と建物とが半永久的に一体化した、公共建築として世界で初めての美術館です。これらの作品はそのまま建物の形態に現れ、この土地の自然条件に基づいて配置されています。金色の円筒形の「太陽」は、中心軸が南北軸と正確に重なるよう配置され、銀色の円弧形をした「月」は、中秋の名月の午後10時の方角を指し、黒い煉瓦タイルの長細い「大地」は、那岐山頂に向かって延びるように配置されています。
南側のアズキ色の建物の2・3階には、図書館があり、その下階には町民ギャラリーが設けられ、県内外の作家の作品紹介など様々な企画展示も開催されています。
レストラン棟は、芝生広場南側に分離された位置にあり、この場所からは、北の那岐山の大自然を一望でき、美術館を訪れる人達の食事の場所であるとともに、休息の場所になっています。