津山藩は、吉井川の支流加茂川と因幡往還との接点である楢村に船着場を設け、年貢米等の積み出しの便を図りました。船着場には石雁木、荷揚げ場、米置き場、詰所などの施設の他に常夜灯が付設されていました。
本常夜灯は、花崗岩製で高さ3mです。常夜灯の型式は高灯篭型で、3m弱の基礎石垣の上に乗っています。銘文によると、天保9年(1838)の製作で、作者は楢村住人・北田申兵衛とあります。舟運の遺構がほとんど失われた今日、高灯篭型の常夜灯は、吉井川水系では他になく大変貴重なものです。
出典:(参考文献)津山市教育委員会(2008)『津山市の文化財』102頁