沖新田の東南に位置する九蟠港は、吉井川河口であり、また児島湾入口にあたることから、重要な拠点のひとつでした。この港に出入りする船のため、夜になると灯がともされていたのがこの常夜灯です。花崗岩の切石(きりいし)を丁寧に積み上げたもので、備前の伝統的な石工(いしく)の技術がうかがえます。江戸時代の終わりから明治初期にかけて造られたと考えられます。
乙子も吉井川河口付近に近い場所で、常夜灯は川岸に張り出すように建てられており、本体の石に明治7年と刻まれています。
どちらも船の行き来の安全に大きな役割を果たしました。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会