~たおやかな稜線に寄り添うガラスの建築~
<建築家>横河健+木村旭
グラスハウスが建つグリーンヒルズ津山は、酪農試験場跡地で、本州ではめずらしく、たおやかな稜線がいくつも重なるような丘をもったところです。
グラスハウスは、クリエイティブTOWN岡山(CTO)プロジェクトのひとつとして、岡田新一コミッショナーに指名された横河健氏により設計されています。形態はその稜線の一部として溶け込みながら、しかし、陽の光を受けて透明な姿がキラキラ輝く姿を思い描かれて設計されました。建築が地形に勝るのではなく、また溶け込まれるのでもなく、グラスハウスがあることによって自然そのものが認識されます。そのような地形の建築化という意識は外部だけでなく当然ながら内部にまで及んでおり、基壇上に積みあがったRC打放しの諸施設と共に、プールゾーンに組み込まれた数々の水浴施設も、地形の起伏を意識して4つのレベルに分けて形づくられました。そして、最下段の遊泳プールではそのまま屋外プールへと続き、張り出したデッキの先には雄大に津山の景色の広がりが手に取れるほど近くに感じられます。
雄大な自然と、ガラスによって取り入れられる柔らかな陽の光。そのような環境が享受でき、若年からお年寄りまで、また障害の有無にかかわらず誰もが利用できるよう配慮されており、多くの方々が楽しみながら健康を手に入れられる施設となっています。