翁橋は、出雲(いずも)街道沿いに、藺田(いだ)川に架けられた橋長・幅員ともに約10mの小さな橋です。藺田川は、津山城の外堀として造られた人工の河川で、城下町の中心地北西部を北から吉井川に流れ込んでいます。その西側には西寺町の寺院群、東側には各種の職人町が栄え、橋の東詰には城下町の西の出入り口として大番所が設けられていました。
翁橋で特筆すべきは、高さ2.8mの親柱(おやばしら)です。岡山特産の万成石(まんなりいし)(花崗岩)6個の上に、照明設置用に六角形の石が積まれ、洋風の凝ったデザインが施されています。架橋当時から昭和57(1982)年ごろまでは、最上部の六角形に合わせた照明が載せられていましたが、現在では別のものに替えられています。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会