井風呂谷川砂防堰提群は、井風呂谷川に沿って大小23基で構成されています。そもそも井風呂谷川流域は、土質が深層まで風化し表土が流出しやすく、たびたび災害が発生していました。そのため、治山・治水事業の指導者であった宇野円三郎(えんざぶろう)の指導のもと、県費で造られたのがこの施設です。
特に3号堰提は、初めは明治33年ごろ築造されます。その後、明治44年に2段目、昭和初期ごろに3段目が嵩(かさ)上げされました。3段合わせた全高は約12mで、県内屈指の石造砂防堰提です。全国的に見ても、明治期築造の砂防堰提の中で遜色(そんしょく)のない存在で、国の登録有形文化財となっています。
現在、1号・2号・7号堰提は石造のものではありませんが、他の堰提は当時のままです。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会