明治31年に開通した中国鉄道(現在の津山線)にある3カ所のトンネルのうちの一つです。福渡駅北側の旭川と国道53号沿いに走る山際に掘られた、わずか65mの短いものです。
坑門(ポータル)は、煉瓦と石で造られています。両側に煉瓦の壁柱を設け、上部には水平方向に帯石(おびいし)と笠石(かさいし)が配され、アーチ型の迫石(せりいし)を備えた明治期の標準的なトンネル口のデザインです。またトンネル内部は煉瓦で造られています。
このほか、同じ津山線では、岡山市の手立(てだて)トンネル(牧山駅-野々口駅間)、箕地(みのち)トンネル(金川駅-建部駅間)も福渡トンネル同様の構造、デザインで造られています。
※ 線路内への立ち入りは禁止されています。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会