鴨方の石桁橋群は、鴨方駅前を流れる里見川の約400m区間に8橋が集中して架けられています。唯一、完成年代と橋名が分かっているのが大正橋で、大正2(1913)年に完成したと、たもとの石に刻まれています。
神社に続く石橋もありますが、ほとんどが生活路として個人によって架けられたものです。また里見川の北側には石切場が多く、川の南側にある鉄道で輸送されていました。そのため、石材屋が搬出路として架けた橋もあります。この付近に集中して石橋が架けられた背景には、石材を間近に調達できたことが考えられます。
現在では、8橋のうち、7橋が拡幅やコンクリート舗装で改変されましたが、1橋だけは当初の姿を完全に留めています。 出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会