田町橋は、石造の親柱上部に宝珠を模したものや、有機的に波打った高欄など表現主義的なデザインを持つ鉄筋コンクリート造(RC造)の桁橋で、全長8mです。岡山大空襲の後、両脇に並行するように親柱と高欄が新しく作られ、修復された部分と破損した部分が混在しているものの、現在も利用されています。
栄橋は、田町橋と同じくRC桁構造で全長6mの小規模なものです。特徴のある高欄は波打った形で、複数ある小さなアーチ状の窓や高欄中央にある高い柱などに豊かな技巧が施されています。これらが20世紀初頭にヨーロッパで発達したドイツ表現主義的なものであるのに対して、親柱は和風の灯籠的な趣をしているという意匠の混在した様子が印象的です。
出典:「あなたの街の近代化遺産ガイドブック」岡山県教育委員会