~造形美を意識した岡山市郊外に建つ警察署 ~
<建築家>磯崎 新+倉森 治
岡山西警察署は、クリエイティブTOWN岡山(CTO)プロジェクトのひとつとして、CTOコミッショナー岡田新一氏に指名された磯崎新氏によって設計されました。
磯崎氏に対し、岡田コミッショナーからキー・センテンスとして「新たな街造りの核となる公共施設」「新幹線から間近に望見される位置にあり、多くの人々が目にする建築であるため、強いインパクトを与える造形」「警察署として、その安全性と市民に対する開放性という相反する機能の両面を満足させるもの」などのコンセプトが示されました。
磯崎氏は、「警察固有の機能を建物裏側の濃いグレーの亜鉛鉄板瓦棒張り部分に集約し、前面道路側は、市民が訪れる事務部門を万成御影石を骨材にしたプレキャストストーンと透明なガラスを市松状に組み合わされた外壁で囲うとともに、4層の吹き抜けを柱と屋根のみで構成した開放的なエントランス空間を設けています。無柱と多柱、透明と不透明、メタルと石などの対立する概念や素材を徹底して並立関係に置き、警察署として、歩行者の視線に加え、瞬時に通過する車窓からも認知されやすくした」と説明しています。
その言葉とおり、郊外の街路沿道にシンボリックで印象的な警察署が実現されています。