~全面ガラス張りの地域に開かれた交流の場~
<建築家>妹島和世+西沢立衛/SANAA
岡山大学鹿田キャンパスの医学部正門に近接して建つ多目的ホールで、(公財)福武教育文化振興財団の代表理事副理事長(当時) 故 福武純子氏から寄贈された建物です。
岡山大学では、「地域に根ざし、学内外の人々が親しみと誇りを持てるような大学」を目指し、地域に開かれたキャンパスづくりが進められており、このホールは、大学のメッセージを象徴するような、大学内外の人々が集える交流の場となっています。
異なる大きさ・高さの7枚の屋根がキャンパスや街が見える広場の方へ様々に向けられ、どこからでも出入りができる開かれたガラス張りの外観が特徴です。
内部は小さな空間が集まってつくられた集合的な平面で、エントラスホール、コモンズスペース、大中小3つのホールが緩やかに繋がっており、建物外部と内部が段階的につながっていくような連続感がつくられて、周辺環境と調和しています。また、ホールは、会議や音楽イベントなど用途や規模によってカーテンで変化をつけられるようになっており、部分的に小ホールとして、また、最大で約400人を収容する一体的なホールとして、多目的に利用できます。
ふらりと立ち寄れる軒下空間や屋根下広場は、色々な方向から人々を迎え入れ、建物を寄贈された福武純子さんの、「さまざまな人が出会い、コミュニケーションを誘発する場になってほしい」という思いが形となったホールです。