~タテ軸とヨコ軸による多機能施設のシステム化~
<建築家>芦原義信+能勢延美
この建築物は岡山市の中心部から西にある京山のふもとに位置しています。芦原義信氏が1963年(昭和38年)に設計した旧県立児童会館(現 人と未来の科学館サイピア)と旧県立短期大学の敷地と施設を一体化し、研修室や体育館、図書コーナーといった多機能に渡る生涯学習施設と児童会館、県立烏城高等学校を併設した複合施設として計画されています。
正門から京山の山裾の広場にむけてまっすぐ伸ばしたタテ軸と、各棟を繋ぐ空中デッキのヨコ軸によるシンプルで分かりやすい計画とし、正門入り口からのタテ軸が通り抜ける形で図書コーナーやギャラリーを併設した交流棟を設けることで、施設利用者だけでなく、地域住民が日常的にふらっと立ち寄れる居場所がつくられています。
また、各棟にはテーマ・カラーが決められており、各建築物の随所にデザインとして色を取り込むことでそれぞれが独立したイメージをつくり、それらの各棟がタテ軸ヨコ軸により連結されることで、この建築物群が一つの大きなシステムとして機能することを表現しています。