~雲のような連続屋根の大学のカフェ~
<建築家>妹島和世+西沢立衛/SANAA
岡山大学津島キャンパスに建つカフェで、2013年に鹿田キャンパスに建築された多目的ホール「Junko Fukutake Hall」につづき、(公財)福武教育文化振興財団の代表理事副理事長(当時) 故 福武純子氏から寄贈された建物です。
キャンパスの正門入口にあたる敷地は、キャンパスの中央を南北に貫くイチョウ並木の美しい道に面し、大学関係者や地域住民が常に行き来する場所にあり、大学と地域を繋ぎ、地域に開かれた交流の場となるように計画されました。
道に沿って配置された、雲のようなやわらかいカーブでかたちづくられた大きな屋根が特徴で、大学の施設内でありながら地域住民も気軽に立ち寄ることができるよう、不規則に配された柱により、開放的で居心地のよい木立のような空間がつくられています。その屋根の広がった部分にカフェが設けられ、中からガラス越しに、通学する学生たちの様子やまちの風景が見えるようになっています。
また、カフェとしてのみでなく、ゼミや収穫祭など大学の活動の場や、ギャラリーなど市民の地域イベントにも活用できるようになっており、地域に開かれた大学というメッセージを伝え、大学と地域を繋ぐ架け橋となっています。